まど・みちお100の世界

まど・みちおを知る

岐山小学校編
詩人 まど・みちおの原風景をたずねて

平成21年12月22日、周南市立岐山小学校の6年生41人が、「まど・みちお え てん」を鑑賞しました。
まどさんと同じ郷里で育った子どもたちが、まどさんの絵や詩を見てどのように感じたのか、アンケートを取ってまとめてみました。
質問はQ1~Q5まで全部で5つ。結果は以下の通りです。尚、感想はスペースに限りがあるので一部を紹介しています。

Q1  抽象画のなかで1 番印象に残った作品は?
1位 「空」 …5人
空
1962年
水彩、ボールペン、油性ペン・紙
37.7x26.2㎝
(未完)
2位 「落下」 …4人
落下
1961年
水彩、ボールペン、ペン・紙
37.7x26.8㎝
3位 「紙は哀しい」 …3人
紙は哀しい
1961年
水彩、ボールペン、削り・紙
37.8x27.0㎝
●感想
「空」:水彩、ボールペン、油性ペンでこんなにきれいな絵が出来るなんてすごい思った。
「落下」:世界が崩れていくような感じ。なぜかこの絵にひかれた。
「紙は哀しい」:明るくてふんわりとしたかわいい色で、心が温かく優しくなれるような感じがする。

Q2 詩の中で一番印象に残った作品は?
1位 「わまわし まわるわ」 …12人
わまわし まわるわ

2位 「コオロギ」 …5人
コオロギ

3位 「がいらいごじてん」 …5人
がいらいごじてん
4位 「ぼくが ここに」 …5人
ぼくが ここに
●感想
「わまわし まわるわ」:こんな形の詩は初めて見たのでびっくりした。面白い詩。どこから読むのかわからない。作品もまわっているようだ。
「コオロギ」:目の前にコオロギがいるような気持ちになる。最後の一文はまどさんのコオロギに対する命のやさしさがある。
「がいらいごじてん」:外来語が面白い日本語になっている。読んでいて楽しい。まどさんはいろんな面白い言葉を知っている人だなと思った。
「ぼくが ここに」:同じ形ののものはないし、その一つずつが大事にされているということが伝わってきた。生きていることの素晴らしさが伝わってきてとても印象に残った。

岐山小学校
岐山小学校
Q3 まど・みちおさんのことを学んで、何に一番興味を感じましたか? (複数回答あり)
1.まどさんの詩や絵について興味を持った。(回答数17)
・不思議な詩や楽しくなるような詩がいっぱいあるから。
・まどさんの詩や絵のやさしさに興味を持った。
・詩や絵の一つ一つに味があると思った。

2.有名になったきっかけに興味を持った。(回答数8)
・北原白秋に認められたということ。
・いろいろな経験をしながら有名な詩人になったこと。

3.生き物や物に対する、まどさんの感じ方や想像力に興味を持った。(回答数7)
・まどさんが小さな草花や虫に目を向けて素敵な詩を書いているということ。
・詩を書くとき、動物や物の気持ちを考えて書いているということ。
岐山小学校
Q4 まど・みちおさんのことを学んで、何かかわったことは? (複数回答あり)
1.自然に興味を持った。(回答数11)
・ まどさんのように道に生えている草花にも目を向けるようになった。
・自然に目を向けて、小さな命も大切に出来る人になれたらいいなと思う。
・動物やいろんな物の気持ちを考えるようになった。

2.詩に興味を持ち始めた。(回答数8)
・詩を書いてみようと思った。
・詩が好きになった。

3.絵に興味を持ち始めた。(回答数2)
・絵を描くものの気持ちを考えるようになった。
岐山小学校
Q5 その他、ご意見ご感想は? (複数回答あり)
1.学習前はまどさんのことをよく知らなかったが、いろんなことを知ることが出来てよかった。(回答数12)
2.まどさんには長生きをしてもらって、健康で元気に絵や詩を書き続けて欲しいと思った。(回答数6)
3.私もまどさんのような詩や絵をかいてみたい。(回答数3)
4.普段見られない絵が見られてとてもうれしかった。(回答数2)
まどさんのことを学んで、詩や絵に興味を持ち始めるとともに、自然にも目を向けるようになった子どもたちが多かったのは注目すべき点です。
まどさんが幼少期に徳山で育んだ、自然やものに対するやさしい心が、同じ郷里の子どもたちに詩を通して伝わったことには、大きな意味があるのではないでしょうか。
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